生体計測装置学 電極について国家試験問題と解説
こんにちは、今日も勉強お疲れ様です。
今日は臨床工学技士国家試験の生体計測装置学の電極について問題と共に解答をしていきましょう。
問題
1.電極と生体間の接触面積を大きくすると電極接触インピーダンスは増加する。
2.電極接触インピーダンスは周波数が高くなると増加する。
3.電極用ペーストは電極接触インピーダンスを下げる効果がある。
4.新しい金属電極はエージングされた金属電極と比べると基線の変動が大きい。
5.電極で発生する分極電圧は金属の種類により異なる。
続いては解答です。
1.(誤)電極と生体間の接触面積を大きくすると、電極インピーダンスの抵抗成分を減少させるため電極接触インピーダンスは減少する。
交流電流における抵抗を「インピーダンス」と呼ぶ。抵抗とは文字通りで電流を流しにくくする。ホースをイメージすると太い(接触面積)方が流れやすい(抵抗が少ない)とイメージ出来ます。
2.(誤)周波数が高くなると等価回路中の容量性インピーダンスが減少する。そのため電極接触インピーダンスは減少する。
容量性(コンデンサ)インピーダンスは周波数に反比例するため。
ちなみに誘導性(コイル)インピーダンスは周波数に比例します。
3.電極用のペーストには塩化ナトリウム等が含まれています。そのため、電極インピーダンスを下げる力があります。
4.新品だと電極と生体間のイオンと電子の受け取りスムーズに行われにくい性質があります。エージングとは老化のことで、金属電極の表面に塩化膜が形成されます。
5.分極の電圧は使用する金属によって異なる値を持ちます。異なる値での金属電極間は電極電圧が大きくなりやすいです。
まとめ
- 接触面積が大きいほど、インピーダンスが小さい
- 電極接触インピーダンスは周波数の増加と共に減少する
- ペーストは電極インピーダンスを下げる
- 新しい電極はエージングされた電極に比べるとノイズが大きい
- 金属の種類により、電極分圧は異なる
以上、お疲れ様でした。
また次回もお付き合いよろしくお願いします。